諸葛正弥の教育論
教育に関する持論や新しい教育のあり方について、教師として、または保護者として、様々な切り口でお話します。(元タイトル:子どもの才能を伸ばす教育を)
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テーマ:子育て・教育 - ジャンル:学校・教育

ロボット教室の役割
ロボット教室を始めてからおよそ4年目になり、
初めの理想と現実とのギャップに苦しみながらも
これは何のための教室なのだろうか、という問いとの闘いでした。

初めは工学的な知見を育てることを目的としてみたのですが、
実際に集まる生徒が次々と低年齢化し、
改造はおろか、制作する作業そのものに向かわせることが
ファーストミッションになっていき、制作したロボットのプレゼンテーション
も初めのころは取り組んでいたものの、
拒否をする生徒やそもそもプレゼンテーションの
土俵にも上がれない子が多数を占め始め、
それもやらなくなっていきました。

では、
ロボット教室に通わせると、どんなメリットがあるのか。

単に作るのが面白い、というだけでは、
家でレゴを制作しているのと変わりがない。
だからといって、仕組みに関わる話をしても響かない。

ですが、制作の様子を見ている間に
ある共通項が見い出せたように思います。

・テキストをきちんと読む生徒がほとんどいない。
 →直感と写真だけで作るから、パーツの選定ミスが多発する。

・トライ&エラーを繰り返さない。
 →組み上げて動かしてみると不具合があって動かない場合、
  そこで自分で原因を探そうとしない。投げ出す。

そして、最大の課題は
大人がやってくれるのを前提としている受身の子どもが多い。
ということ。

要は、自力で課題を乗り越える、という経験をきちんと持っている子が少ないのだろうと感じています。
困ったら、できない、と叫ぶ、騒ぐ、泣く、怒る、などの意思表示をすれば、後は大人がやってくれるというスタンスは多くの生徒に共通しています。

気持ちはとても理解できるのですが、そこでそのまま「はいはい、どうしたの?」と対応してしまっては、
恐らく、その子は毎回、同じように「できない!」と騒ぐアピールをするだけで何も乗り越えようとはしないでしょう。

ですから、
テキストをきちんと見ればできること、については
「テキストをきちんと見なさい。」という指導のみに抑えて、
自分の力で乗り越える達成感をいかに与えるのか、という方針に変えました。

ロボットの改造も本来は自由な発想で改造をするという趣旨なので、
私にとっては楽しい時間と思っていたのですが、
生徒にとっては苦痛なようで、改造のテキストはないんですか? となる・・・
それでは意味がないでしょう・・・
自分で試して、失敗して直して、という繰り返しを通じてより良いものを、
というチャレンジ精神が湧かないようです。

なので、まずは自力で乗り越えた成功体験をさせないと、
チャレンジしたいという気持ちのベースとなる自己肯定感も生まれない、
と思いますので、今は改造を無理強いするよりは自力での制作に
こだわらせるのが良いと思っています。

そして、
パーツの紛失などにより、パーツが足りないときも、
「パーツがない」と言っているだけなら
「大変だね」
と返すだけに留め、
きちんと、何をして欲しいのかをお願いしない限りは
話は聞くが、何もしてあげないというようにしました。




すると、少しずつですが、
自力で頑張る子も増え、
きちんと、お願いできる子、お礼が言える子も増えてきました。


低学年を対象にしたロボット教室とは
ロボット制作を通じて、基本的な習慣や自力で乗り越える体験をさせるためにある、
どちらかと言うと人間教育の場、なのだな、と感じています。

ロボットを通じて人間を育てる・・・

何ともシュールな感じがするのは私だけでしょうか・・・


東雲ロボット倶楽部
中学生や高校生を対象として、
ロボット倶楽部を立ち上げることにしました。

部活は教員の加重労働になる、と言われていますが、果たして民間でどこまで担うことができるのか。
それは根本的な教員の課題解決ではないと思いますが、学校がすべての教育を抱え過ぎているのは事実でしょう。

しかし、クラブ活動を外に出せば費用もかかる。
それでもニーズがあるのか。
実際に学校では難しそうな、ロボット倶楽部をやってみますが、それで本当にクラブ活動の代わりができるのか。

確信はありませんが、地域の中学生、高校生にとっての選択肢の一つになれたら、と思います。

詳しくはサイトを立ち上げた際に告知します。
日本人は自己主張が下手か
日本人は自己主張が下手である、とよく言われます。
しかし、本当にそうなんでしょうか。

「英語での」という枕をつけるなら、
確かに下手なのでしょう。
しかし、それは言語の問題です。

実際に留学生が日本人と交流した際の意見として、
英語では、必要最低限の回答しかしてこないが、
日本語でなら、必要以外のプライベートなことまで
積極的に話をしてくれる、という声が多いです。

私たちは自己表現が下手という先入観に必要以上に
とらわれてしまい、自分で自分にそういうレッテルを貼り、
メンタルブロックをかけてはいないでしょうか。


しかしながら、
こういう指摘もあります。
日本人は自分が関わるサークル(輪)の中では
積極的なコミュニケーションを行なうが、
異なるサークルのメンバーとは交流をしようとしない。

要は、自分の属するサークルの枠を破って
異なるコミュニティのメンバーと関わる勇気が持てない
ということなのかも知れません。

または、世代を超えた交流、
立場を超えた交流などは避ける傾向にあるようですし、
日本人が持つ美徳としての謙虚さが、
「自分が話しかけたら迷惑ではないだろうか」
という意識を生み、交流を避けている傾向にある、
ということなのかも知れません。

こういう内向的な行動の傾向も
自己表現が下手、という印象を形成する要因と
なっているのでしょう。

ただ、これは自己主張ではなく
他者との距離感の作り方の問題です。
ですから、自己主張が下手というよりも、
交流できる相手の幅を広げることができれば、
日本人も対等に関われるようになる、と感じています。

交流できる相手の幅を広げるツールが英語であり、
コミュニケーションスキルなのであり、
要は日本人が自己表現が下手、
というよりも、そういった交流するためのスキルセットが
不足しているというだけなのではないかな、と思います。


サレジオ学院へ訪問
自分が通っていた頃、ちょうど学校改革の真っ只中であったため、
その当時の話を伺いたく、恩師に無理を言って時間を頂きました。

率直に、偏差値も随分と上がり、上位校の仲間入りをした学校なので、
改革とは無縁と思ってら、まったくそうではなく、新たに改革に着手していこうという強いものを感じました。

ただ、基本的なことは昔と変わらず、一貫した教育が行われているということがそもそもの強みなのでしょう。

例えば、
「大学受験をゴールにせず、その先の生き方を考えた指導をする。」

これは自分が通っていた当時もそうで、一度として難関大学に行かなければならない、という指導はなく、「君は将来、どうなりたいのか」ということを常に問われ、当時の担任にも自分自身の意志を随分と尊重してもらえたな、と思います。

そういった教育は今でも変わらないよ、と仰られていたことがとても印象的で、サレジオ学院の魅力の一つなのでしょう。

一方で、生温いという意見もあるかも知れませんが、自分の人生がかかっている、ということから逆算をして考えさせられていると、必然的にシビアにならざるを得ない訳で、いかに何となく生きるのではなく、将来を考えさせた上での今を過ごさせるのか、という意識が全体に根付いていたからこそ、効果を発揮したのだろうと感じます。


また、専任比率が非常に高いということも強みで、意思統一の面や指導上の徹底においても有利になりますし、何より6年間、責任を持って面倒を見るという体制が作りやすい。
複数の先生方と話しても、教育観の根本については同じように仰る・・・そういう土台がきちんと作られている印象でした。

こうした体制を作るには並々ならぬ苦労もあったとは思いますが、大いに勉強になりました。



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