子供の才能を伸ばす教育を
教師塾、教員研修、セミナー、講演などの活動と、 教育への想い、教育論を語ります。 「教師」「保護者」そして「子供に関わる多くの方」へのメッセージ @T's skill教育技術研究所
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塾の先生の勘違い
進学塾で長い間授業をしてきて
様々な人間模様を見てきました。

私自身も様々な勘違いを通り過ぎてきました。

塾や学校で授業を受け持って先生と呼ばれていると
同じ様な錯覚や勘違いを起こす可能性が高い、
と思うのですが・・・

自分の反省と原点に戻る意味でも
過去の自分の勘違いについてお話します。


私が塾の講師を始めてから2年目。
当時、理科の講師が少なかったことから
多くの授業を任されました。

1週間に授業を10回こなす様なスケジュール。
数多くの生徒を受け持ち、
1週間に接する生徒の数は180人近く・・・

その時、私は有頂天でした。
まるで自分が人気講師で力がある先生であるかのように・・・
そして、
自分が偉くなった様な錯覚を起こしていました。


ですから
当時の同僚や塾の上司にも
偉そうに意見を言って、自分の言う事が通らなければ
辞めてやっても良いんだぞ、と言わんばかりの行動を取ったり
まさにやりたい放題でした。

そして、私の勘違いは止まりませんでした。

自分の教え方が一番
自分のやり方以外は認めない
あいつは授業が下手だから使えない
今度の新人はダメだ、など・・・


挙句の果てに
アドバイスをしてあげれば良いのに、
成績を上げられない先生を呼びつけて説教したり・・・

最悪ですよね。
今思えばどうしようもない先生です。
自分の世界観しか受け入れることのできない
視野の狭い人間でした。


俺が教えてやっているんだ。
自分の授業で分からない、なんて生徒が馬鹿なんだ。
自分のやり方について来れないなら辞めた方が良い。

そんな勘違いをしたまま数年が過ぎ
塾の中でも実績などを評価されるようになって
研修を担当する様にまでなりました・・・


当然、ますます自分を偉いと思う勘違いを深める一方で
それがやる気になって意気込んで研修の準備を始めました。

そして、研修のために色々と試行錯誤をしていたら
他人の目が急に気になり始めたのです。

自分の中に、強い持論はあるけれど他の人はどんな意見を持つのかな、
自分の研修をどうやったら伝えられるかな、と・・・

結果として
自分で人に持論を伝えよう、と思った瞬間
自分を振り返ることになったのです。


そして気が付いていきました・・・
他の教え方、考え方もあるかも知れないけれど
実は自分は何も分かっていないな、
知ろうとしてこなかったな、と・・・

そして、
恐ろしく自分が幅の狭い先生であることを自覚しました。



表面的には理解をしているような
分かっているようなつもり、ではあっても
その意見のここがダメだ
その先生のあそこが使えない
そんな批評ばかりが先に立ち、
結局、受け入れることなどほとんどない。

けれど、そんな自分をそれを一生懸命、
理屈をこねて肯定しているんですよね。


それに気が付いた時、同時に怖くなりました。
この数年、自分は他人を否定することを覚えただけで
結局成長をしていないんじゃないか、と・・・

人から何かを学ぶ姿勢が無くなっているのなら
自分を偉い、凄い、自分が上、誰が下と勘違いしている内は
周りの意見やアイデアになどを本当の意味では吸収できていなかったのです。
吸収する振りだけして、結局、自分の持論の肯定への材料にしか
していない自分に気が付いたのです。

その瞬間、研修のインストラクターを辞退したくなりました。
自分が恥ずかしくなりました。
それまでの数年に積み上げたもの、それは自分のプライドだけでした。


どんなに勉強ができようが
どんなに実績を出していようが
どんなに成績を上げようが
どんなにクラスを担当していようが
どんなに長く先生をやっていようが
どんなに多くの生徒を教えていようが

それは自慢できることでは決して無い。
信頼を得やすい、一つの目安として利用しますが、
だから偉い、というものではないのです。


自信を持って生徒、保護者と接することができなければ
信頼を得る事はできませんが、
それは偉そうにしろ、という事ではありません。

自信と自分が偉いと思うことの違いが分からない内は
きっとその先生にそれ以上の成長は期待できないでしょう。



若い先生を見ていると
多くの授業を担当する様になった先生のほとんどが
偉くなった様な勘違いを起こしています。

自分が偉くなったと
先生、先生とちやほやされて
その錯覚に酔っている方も多いです。

自分も過去にはそうでした。

けれど、いつか気が付きます。
自分が偉いと思っている内は成長しないということに・・・

この様な話をされて
「じゃあ、どんな先生が偉いんですか」
と聞いてくる方もいますが、絶句してしまいます。
さらに、そんな事を書いているお前も充分偉そうじゃないか、
と言われてしまうかも知れませんけれど・・・

この記事に対するコメント

どんな人が偉いのかは、まったくわかりませんが、信頼されるかどうかというのは、わかるような気がします。
信頼というのは、一方通行では成立しないと思ってます。お互いがお互いを認め合える関係においてしか、信頼は成り立たないように思います。
相手を認めるということは、相手の人格を一人前のものとして認めるということで、意見の一致は関係ありません。自分の考えはしっかり持たなければならないでしょうし、相手の考えを否定することもしてはならないと思います。
こういう私も、まだまだワガママな人間です。人間一生勉強だと前向きの姿勢は保って行きたいと思います。
【2005/07/18 21:23】 URL | Jack Amano #- [ 編集]


こんばんは!
コメントありがとうございます。
そうですね、信頼関係は教育において最も大切なことですからとても共感できます。相手を否定することから始めたのでは、決して成立しませんよね。
まずは聞く姿勢を持つことを大切にしていきたいです。
【2005/07/19 00:24】 URL | moro #- [ 編集]


遅くなってスンマセン!何だか奥の深い話でした。しかし紙一重
という恐ろしさ。慢の心は人を受け入れることもできず、批判する
ことをするんですね。その通りかもしれません。常に周りを見渡す
姿勢は大事なんですね。
【2005/07/25 15:35】 URL | 双子の母ハニー #71eICjPE [ 編集]


双子の母ハニーさん コメントありがとうございます
すっかりサボっていました・・・
そうですね、常に周りを見渡して
謙虚な姿勢でいることはとても大切だと思います。
私もまだまだ未熟ですが、初心を忘れない様にしたいです。
【2005/07/27 18:17】 URL | moro #- [ 編集]


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moro(諸葛正弥)

  • Author:moro(諸葛正弥)
  • 自己紹介
    ・教育技術コンサルタント
     T's skill教育技術研究所代表
    ・NPO法人交流分析協会会員
     交流分析士
    ・日本教育工学会 会員
    ・建築家

    ■明治図書より
    進学塾講師が書いた日本初の教育図書
    「人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」を出版
    現在、第7版
    ■毎日コミュニケーションズより
    「フィンランドメソッド実践ドリル」を出版
    現在、第5版
    ■メールマガジンも発行しています
     「せんせいのスキル」
    e-mail:
    長年の大手進学塾講師経験や研修担当経験を経て「T's skill教師塾」を設立し、塾講師出身の教員研修講師として活動。
    私立中高一貫校、教育委員会、専門学校など研修や講演、顧問などを通じ、学校教育改革を提案中。

    これまでの数々の講演・研修ではこれまでの研修と違う、こういう研修を早く受けたかった、と高い評価を頂いております。

    T's skill「教師塾」を開催
    授業技術の研修・講義など各地で実施
    各種教育セミナーも開催予定
    全国から数多くのお問い合わせを頂いております

    2008年メディア関連の履歴
    ■NHK「おはようニッポン」
    ■TBS「ピンポン」
    ■ラジオ「J−WAVE」
    ■雑誌「R25」
    ■新聞「日刊ゲンダイ」
    ■雑誌「東洋経済」(書評)
    ■出版「フィンランドメソッド実践ドリル」
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