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| きれい事? |
教員対象の研修を何度か実施し 感じることがあります。
なるほど、そうですよね。 けれど、それは理想論で、あなたが接してきた 出来の良い生徒に、だから通用したんですよね。
問題は私が関わっている生徒。 問題ばかり起こす様な生徒にはどうするのですか?
そんなコメントを頂くことがあります。 その度に思うのです。
何を言っているのか。
私の基本スタンスは 生徒にプラスのストロークを与えて それを土台にして指導をすること。
無条件の肯定ストロークで自己肯定感という土台を作り、 信頼関係を築く。
その手法として、 日常で元気良く、挨拶をしてあげて下さい。 目線をあげて下さい。 出席を取るときも、返事に対して しっかり目線を合わせてあげて下さい。
そして、個々の話に耳を傾け、 興味、関心を持ちましょう。
たったそれだけのことで 生徒にして見れば、存在認知の欲求をどれだけ満たされることか。 どれほどの安心感を与えることができることか。
叱るのなら、指導をするのなら そういった自己肯定感の土台を作った上で、行ないましょう。
細かく語ると長いですが 基本はこんなところです。
T's skillの教師塾では、まずそれを伝えます。 指導のベースはそこにあります。
しかし、やはり、先程の声は絶えない。 何を言っているのか。
では、そういう指導を望んでいるのか。 荒れているから力で制する? 強い強制力で制圧する?
そんな指導の手法を期待しているなら 本当に馬鹿げたことです。
原点を考えなさい。 「なぜ、生徒はそんな行動を起こすのか。」
本当に悪いことをしたくて悪さをしている生徒はいません。 何か、悪いことをしたのなら それはきっと、心にどこか満たされない欲求があって それを満たすための行動なのです。
強い強制力で蓋をする。 そんなことをされた生徒は、どこにその心を満たせば良いのか。
その歪んだ連鎖が生み出す結果が いじめ、なのではないか。
それを生徒が悪い、と追い詰める。 いじめの連鎖を作ったのは他ならぬ、 その様な結果だけを見て、背景を見ない大人の勝手な目線で 作り上げた教育なのではないか。
私も過去、そういう酷い教育をしてきたかも知れない。 酷い人間です。
けれど、だからと言って 何もしないのなら、なお悪い。
荒れた生徒を指導する。 それなら、尚更、心の欲求を見てあげましょう。 プラスのストロークで満たしてあげましょう。
きれい事かも知れない。 けれど、教師がそのきれい事をやらないで、 今の社会の誰が一体、それをやれるのか!
悪いことをしたから その生徒は悪い人間? とんでもない!
過去は悪いことをしたかも知れないけれど それは過去の行為が悪いのであって 生徒自身の人間性の問題ではない。
それをやってしまった背景にある心の声、欲求、叫びを 受け止めることができなかった大人の社会が悪い。
挨拶から始めましょうよ。 目線をあげることをしっかりやってあげましょうよ。 存在をしっかり認知してあげましょうよ。
不満でも、自慢でも話を聞いてあげましょうよ。
初めは素直に心なんて開かないかも知れない。 それで良いのです。
素直に返さないから やっぱりだめだ、と教師が諦めたらダメです。 生徒は心の奥底で、変わるきっかけを探してます。
そのタイミングがいつなのか、それは分からない。 けれど、確実に、見えないけれど、心が変わろうとしている。 その芽を伸ばす前に教師があきらめたらいけない。
そんな事はきれい事だ、と初めから諦めてはいないか。 そして、仮に教師が行動を起こしても、 通用しないんじゃないか、という疑いの心、で接していないか。
疑いの心で接したら それは行動にも現れます。 当然、生徒の心になんて響きません。
どうせダメだろうけど、試してやるか。
違う。 あなたが信じて行動を起こさないで、 誰の心を震わせることができるのか!
どうせ無理だ。きれい事だ。通用しないよ。 そんな逃げ口上を語る前に、 全力で生徒の心にあなたの熱意を注いであげませんか。
本当にあなたの行動を待っているのは いわゆる良い子やちょっと悪い子だけでなく、 一般にあまり触れない生徒こそ、なのです。
飢えているのは普通の子、目立たない子。 それは普段、気にも掛けてもらえないから・・・
そして、 SOSを発しているのは問題を起こす生徒であり、荒れた生徒。 それは心の欲求を満たすために実力行使をするしか 無い状況にまで追い込まれているから・・・
最後にもう一度 教師がきれい事をやらないで、誰がやる。 生徒の心の欲求を、背景を、誰が満たし、共感してあげるのか。
それを無くして、信頼関係、生徒指導はあり得ない。 私はそう思います。
私は中学時代、荒れた生活をしていました。 悪さも繰り返しました。 だから、分かる。 怒られる事も分かっている。 悪い事をしていることも分かっている。 けれど、悪さをすることで、その瞬間の心は満たされた。 同時に後ろめたさと罪悪感を抱えながら・・・
その時の心の叫びを誰も聞いてはくれなかった。 あったのは叱咤と否定ばかり。 自分がどこに戻れば良いのかすら見失った。
けれど そんな私が変わろうと思えたのは やっぱり教師の姿でした。 ろくでもない、そんな私がやりたいと思っていた夢を語り それを真剣に聞き、アドバイスをくれた先生。 その先生がいたから、私は心を満たされた気分になれた。
だから、 ちゃんとやろう、と思えたのです。
それは、ただ真剣に話を聞いてくれただけ、 だったのかも知れないけれど、 それがどれ程の安心感と満足感を与えてくれたか分からない。
そして一歩を踏み出したら 世界が変わって見えた。
私は自分の経験から きれい事だ、理想論だと言われても良い、 裏切られても良いから、その想いを、気持ちを、伝えていきたい。
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