子供の才能を伸ばす教育を
教師塾、教員研修、セミナー、講演などの活動と、 教育への想い、教育論を語ります。 「教師」「保護者」そして「子供に関わる多くの方」へのメッセージ @T's skill教育技術研究所
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勉強しなくなった子供
以前、相談のあったお子さんの事なのですが
これまでも同じ様なケースが数件あったので
ご紹介しておこうかと思います。


小学4年生くらいまでは、勉強にも積極的で優等生。
勉強に苦労をすることもほとんど無く、
学校でも塾でも成績が優秀だった。

けれど、5年生になって
勉強を急に勉強をしなくなり、取り掛かっても長続きしない。

でも、自分はやればできる、という言動や態度を取る。


そこで、ではちゃんと勉強しなさい、と言うと
ふて腐れてしまうか、今やろうと思ってたのに!と反発だけして
結局、やらない。

そんな内容のものです。
受験勉強において、4年生と5年生では大きな差があります。
その壁に当たってしまったのでしょう。
そのお子さんの心をちょっと分析してみようと思います。


少なくとも
その子は4年生までは成績優秀でした。
苦労をしたことも余り無い。

そんな状況から、このケースのお子さんの多くは
総じて頭の回転の良い、要領の比較的良いお子さんが多いものです。
だから、苦労を積み重ねて勉強しなくても
4年生で学習する程度の内容なら
「わかった」がそのまま「できる」に結びついていたのです。

そして5年生になったとき
学習内容が高度になってくると、
初めの頃は「わかった」だけで済んでいたものが
それだけでは「できない」様になってきます。
これまで要領の良さで簡単に済ませることができていたものが
できなくなっていくことに「壁」を感じ、
元々努力を積み重ねる根気が養われていない場合には
その「壁」を回避しようとします。

それが、勉強をしない、という行為です。
勉強をしなければ、「できなくて当たり前」ですから
「勉強をしさえすればできる子である」という仮面を
被ることで現実逃避を図っているのです。

一体なぜ、その様なことをするのか。
それは「あなたに自分の良い所を見せたいから」です。
子供は誰しも両親に良い所を見せたいものです。

4年生の頃、良い成績を取って
ほめられ続けてきた子供であれば、そこで勝ち取った立場を
失いたくない、というのが当然の心理でしょう。

ですが、残念ながら現実には「壁」に当たり
努力をすることも知らず、要領だけでは通用しない現実に
ぶつかってしまった・・・
だから、自分が勉強についていけてないのではなく、
「今は勉強をしていないからできないだけ」
という自分を見せようとするのです。

口で「自分は本当はできる」という様な発言を繰り返す場合には
ほとんどがこのケースです。

面倒臭がり、見栄っ張り、興味関心のあること以外はやらない
という様な傾向の強い子供に多く見られます。


この様な場合、どうするのか。
まずは予防が重要です。
4年生のとき、点数・結果ばかりを誉める習慣がついてしまうと
体裁ばかりにこだわる様になってしまいます。
解き方や、内容、努力を無視して、○×ばかりに関心がいってしまう
子供になってしまいます。
ですから、点数を取った結果より、そこに至るまでの姿勢、努力を
しっかり見てあげることが重要です。
そこで、積み重ねること、習慣を作ること、努力すること、の重要性を
少しずつ教えていきます。

壁にぶつかったなら
点数を評価するのではなく、そこに至るまでの努力を見て
その先を信頼してあげる姿勢を保って下さい。
そして、次の目標を聞き出し、あなたならできる。
という言葉をかけてあげましょう。
叱ることなどいつでもできます。
できないことを叱っても、ここでは意味がありません。
なぜなら、壁にぶつかって苦しんでいるのは
子供自身なのですから・・・



さて、現在、すでにその様な状況になってしまっている場合は
相当時間が掛かります。

心の中では「どうせやってもできない」と思い始めているから
逆に実際には行動に移せずに見かけだけで
「やればできる」という虚勢を張っているのです。

ですから、まずは自信を回復させることから始めましょう。
泥臭いけれど、小さなことから積み上げていく実感を持たせましょう。
まずは苦手な部分ならどの科目のどの単元でも良いので
ほんの一箇所だけを克服する目標を作りましょう。

非常に簡単で下らない問題から1つ1つ・・・
格好悪いですが、どこで躓いているのか
どこで理解が不足しているのかをはっきりさせるため
そこは我慢させます。

簡単で下らない問題と思えるようなら
時間も掛けずにサッと終らせられますよね。
そこで、苦手とは言えど、基本はできていることが確認できた訳です
から、まずはそれを自信にしてもらいましょう。

そして、ステップアップする内に
壁にぶつかっていくはずです。
そのとき、親がそれを教えてしまっては台無しです。
回答以外なら何を調べても良いので、その解き方を子供自身に
試行錯誤させます。その行為を繰り返す中に
自分で発見する喜びと壁を乗り越える感覚を経験してもらうのです。

一つずつできることが増えてきたら
模擬試験などが楽しみです。
詳しく分析して、勉強したところができていたなら
点数なんてどうでも良いので、
まずはそこで成果を出せたことを喜んであげましょう。
きっとそこで、それまで
点数だけを追いかけてきた優等生の仮面がはがれることでしょう。

長期戦になることは覚悟しなければいけませんが
本当に解決したいのであれば、保護者も腹をくくって
じっくり取り組んであげたいですよね。



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プロフィール

moro(諸葛正弥)

  • Author:moro(諸葛正弥)
  • 自己紹介
    ・教育技術コンサルタント
     T's skill教育技術研究所代表
    ・NPO法人交流分析協会会員
     交流分析士
    ・日本教育工学会 会員
    ・建築家

    ■明治図書より
    進学塾講師が書いた日本初の教育図書
    「人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」を出版
    現在、第7版
    ■毎日コミュニケーションズより
    「フィンランドメソッド実践ドリル」を出版
    現在、第5版
    ■メールマガジンも発行しています
     「せんせいのスキル」
    e-mail:
    長年の大手進学塾講師経験や研修担当経験を経て「T's skill教師塾」を設立し、塾講師出身の教員研修講師として活動。
    私立中高一貫校、教育委員会、専門学校など研修や講演、顧問などを通じ、学校教育改革を提案中。

    これまでの数々の講演・研修ではこれまでの研修と違う、こういう研修を早く受けたかった、と高い評価を頂いております。

    T's skill「教師塾」を開催
    授業技術の研修・講義など各地で実施
    各種教育セミナーも開催予定
    全国から数多くのお問い合わせを頂いております

    2008年メディア関連の履歴
    ■NHK「おはようニッポン」
    ■TBS「ピンポン」
    ■ラジオ「J−WAVE」
    ■雑誌「R25」
    ■新聞「日刊ゲンダイ」
    ■雑誌「東洋経済」(書評)
    ■出版「フィンランドメソッド実践ドリル」
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