子供の才能を伸ばす教育を
教師塾、教員研修、セミナー、講演などの活動と、 教育への想い、教育論を語ります。 「教師」「保護者」そして「子供に関わる多くの方」へのメッセージ @T's skill教育技術研究所
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学力テストの不正で・・・
学力テストで不正があったという話を聞き
何とも悲しい気分になりました。

そんな不正で点数を取らせて何になるのか。
そういうことをするから
点数の出るテストは意味が無い、という極端な発想をする
方々が出てくる・・・
まずは不正をすること事態が悲しいことです。
そこは正当化されるものではありません。

そして、こういう事が起こると
資本主義、競争原理を教育の場に持ち込むのは似合わない。
点数で序列をつけるのはおかしい。
だから、テストは良くない。
競争原理はおかしい。
そんなゼロかイチかの議論がまた再燃する・・・


テストをすることが悪いのではないのです。
要はテストの使い方。
競争で何でも解決しようという発想が良くないのです。

フィンランドは確かに義務教育の間、
テストで点数をつけたり、序列をつけることは無いと言われる。

確かに
テストで序列をつけ
あたかもそれがその子供そのものの序列であるかの様な
扱いをしたり、テストの平均を物差しに使う様なものなら
やらない方が良い。
どうしても出来ない子供にとって、
クラスの平均を下げてしまう生徒にとって苦痛以外の何物でもない。

しかもそれを学校、またはクラスの評価にする
という発想で使ったなら結果は見えています。
そういう生徒を排除するか、不正をするしかない。
そんな意味で、今回の不正は当然、とも言えます。


けれど、
頑張ったことが正等に評価される指標として
活用することは価値があるのではないか。

個々の到達度を測る上での
指標として明確な目標を持たせることには
価値があるのではないか。


現実にフィンランドでもテストは実施される。
そして、その出来具合はちゃんと評価をされている。
100点とか、何位、という評価ではないにせよ、
できたことは皆の前でも評価されるのです。


だから、拡大解釈をして
テスト=悪 という風潮にならないことを祈りたい。



ここで改めてお話をしておきたいと思うのですが
フィンランドの教育は確かに成果を挙げているし
良く考えられています。
けれど、部分的な事だけを切り取って当てはめようとしたら
それは危険なことです。


テストで点数をつけない、序列をつけない
といった部分だけを切り取って
テストで成果を出させるなんてナンセンス、という悪平等の思考だけが
再び広がり、結局、何もできるようにならない授業が展開されるとしたら
学力向上なんてできるはずがありません。


ゆとり教育を間違って解釈し
生徒が話し合って、分かった、理解したから良かったね、で終わらせて
話し合ったこと、だけが評価されて

結局、生徒が何を学んだか、何をできるようになったのか、
その実感を与えることの無い授業が展開される教育で
学力向上など図れるはずは無いのです。


インドでもフィンランドでも
結局、学んだ事がどう使えるのか、何ができる様になったのか
それを明確にしてあげる様に授業をします。
「わかった」だけでは「できる」様にならないことを
分かっているのです。
そして、子供達に将来の目標を考えさせることを忘れてはいません。


日本の教育において
テストがあって悪い事は無い、と思っています。
むしろ、必要なツールの一つだと考えています。

フィンランドは税金が高い代りに
社会的な保障の整備が整っている。
だから、生きること、収入を得ることに対する
社会的背景も私達とは異なるのです。

残念ながら
日本は競争原理の中で生き抜かなければなりません。
これが素晴らしいかどうかは分かりませんが
少なくとも、この現実を生きる力をつけてあげることも
必要な教育なのではないかと思うのです。


教育とは
資本主義や競争原理とはそぐわない
そんな理屈を前に、現実から目を背けてはいないでしょうか。

競争原理から隔離されて育った子供達は
本当に社会に出て生き抜いていけるのか・・・

純粋培養、無菌状態で育った生き物は
抵抗力が弱く、やはり生き抜いていけないのと同じ様に
子供に生きる力を与えるのなら
そうした日本の社会の現実に合わせる教育も考える必要が
あるのではないかと思います。

競争を知り、
その中で生きることを教えることも重要なのです。
競争に勝つため、だけでなく
競争しない戦略を考えるためにも。


技術で経済大国になった日本。
過去の日本を支えた人達には、向上心があった。
資源や観光で経済を成り立たせている国ではない。
その日本が世界で生き抜くために
やはり学力向上は必須です。
そのために「できる」ステップを踏むこと
達成感を持たせること、
更に上を目指す向上心を育てることを
忘れてはいけません。

私は進学塾で指導をしていた人間ですが
何点取れば良い、とか平均を超えたから良いなどという
思考は一切させないようにしていました。

やるからには
点数で何点取れば、ではなくて
全部できることを目指して欲しい。
個々がより高い所を目指すために。

平均が何点なんて関係ない。
周りがどうであれ、自分自身を振り返ることの
大切さを教えるために。

そして生徒の答案をよく覚えていました。
次、何点であっても、少しでも伸びていれば
それをほめてあげられる様に・・・


子供達が明確な目標を持ち
それに向かって頑張る、という指標の一つとして
テストが活用され、スモールステップをクリアしながら
達成感を持ち、向上心を高め、切磋琢磨し、
将来の大きな目標に対する自信をつけ、
叶える力を共に育てていく。

私は日本の教育には
そんな仕組みが合っている様に感じます。
テストも競争も使い方。


そして・・・
学力テストで評価をしないのなら
それを支える土壌として、教師もまた研鑽を積むことを
考えないといけません。
教員の指導力向上、教員の労働環境の整備、これは不可欠です。

少なくともフィンランドは教員の質の向上に大きな力を注いでいます。


現状の学力テストが良いとは思いません。
けれど、テストや目に見える成果や競争を全否定する教育に
なってしまうことがないことを願っています。


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プロフィール

moro(諸葛正弥)

  • Author:moro(諸葛正弥)
  • 自己紹介
    ・教育技術コンサルタント
     T's skill教育技術研究所代表
    ・NPO法人交流分析協会会員
     交流分析士
    ・日本教育工学会 会員
    ・建築家

    ■明治図書より
    進学塾講師が書いた日本初の教育図書
    「人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」を出版
    現在、第7版
    ■毎日コミュニケーションズより
    「フィンランドメソッド実践ドリル」を出版
    現在、第5版
    ■メールマガジンも発行しています
     「せんせいのスキル」
    e-mail:
    長年の大手進学塾講師経験や研修担当経験を経て「T's skill教師塾」を設立し、塾講師出身の教員研修講師として活動。
    私立中高一貫校、教育委員会、専門学校など研修や講演、顧問などを通じ、学校教育改革を提案中。

    これまでの数々の講演・研修ではこれまでの研修と違う、こういう研修を早く受けたかった、と高い評価を頂いております。

    T's skill「教師塾」を開催
    授業技術の研修・講義など各地で実施
    各種教育セミナーも開催予定
    全国から数多くのお問い合わせを頂いております

    2008年メディア関連の履歴
    ■NHK「おはようニッポン」
    ■TBS「ピンポン」
    ■ラジオ「J−WAVE」
    ■雑誌「R25」
    ■新聞「日刊ゲンダイ」
    ■雑誌「東洋経済」(書評)
    ■出版「フィンランドメソッド実践ドリル」
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