子供の才能を伸ばす教育を
教師塾、教員研修、セミナー、講演などの活動と、 教育への想い、教育論を語ります。 「教師」「保護者」そして「子供に関わる多くの方」へのメッセージ @T's skill教育技術研究所
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先生、研修に参りました(4)
生徒と接する際の土台は前回お話させて頂きましたが
今回は授業を行なう上での約束ごとについてお話致します。

これも、実際に先生方へ研修をしている際に
学校と共通するところが多いと言われるのですが、
授業のケジメをしっかりつけさせる、
姿勢を整えさせる、といった当たり前のことを当たり前に徹底し、
授業を受けるのに適した準備を行なうことが基本なのです。

勉強さえできれば良い、というスタンスで
授業だけをただやっているのでは、
結果的に生徒の学習効果も上がらずに、結果も出ないということが
良く分かっているので、こうした土台作りをしっかりやらなければいけないのです。


それは楽しい授業をすれば良い、という発想より優先しなければいけません。


楽しい授業、興味がわく授業を計画することより
なぜ、当たり前のルール、約束ごとを優先しなければならないのか、は
別の機会にお話するとして、
今回は授業をする上でのルール、約束ごとの中身と
その考え方の一部を紹介します。


意外なことなのですが、
研修の際に、先生方へ
「あなたの授業の中で生徒達と交わしているルール・約束事は何ですか?」
と問い掛けると、
ほとんどの場合、ルールや約束ごとは特に決めていません、
と返ってきました。

授業規律の守られた授業空間を作る上で必要なことは、
教師が一人で生徒を注意する環境ではなく
生徒もそのルールを守ろうとする意識であり、
生徒と教師の間に、
授業規律に関する共通の認識という土台がなければ
結局、教師の伝えたいことを誤解なく伝える空間は
作られていかないのです。

だから
生徒と共通の土台を作るためにも
授業規律の共通認識を明確にし、
確認する必要があるのだと思います。


それがないのに、
生徒を注意しても、共通の認識、土台が異なれば
当然の様にその指導は浸透しにくくなるものです。

仮に授業中におしゃべりをしている生徒を注意しても
生徒の側に、それがルール違反である認識が明確になって
いなければ、自覚をもって直す段階になるまでに飛躍が生じてしまいます。

だから、
「授業に関係のあることだから」とか
「小さい声だから他人に迷惑がかかっていない」といった
生徒の言い訳が出てきて、人の話をしっかり聞くといった
本来の姿から離れた議論へとすり返られていったりすることも生じるのです。

けれど事前に
ルールが明確になっているのなら
そこから逸脱していることを確認するだけで
おしゃべりがいけない、ということが明らかにできるはずなのです。


授業中におしゃべりをしてはいけない、など
当たり前だし、常識の範囲なのだから、ルールにする必要はない
と言われるかも知れませんが、
常識であり、当たり前のことなのかも知れないけれど
それを確認しておき、心の準備、明確に自覚をさせておくことは
とても大切なことなのです。

なぜなら
常識、というものは常識だから、という先入観によって形作られた
とても曖昧なものだから・・・


もっと細かいことを言うのなら
私なら「授業中は勝手におしゃべりをしない」というルールは作りません。
なぜなら、ボーダーラインが明確ではないから・・・
その辺りのお話まですると細かくなりすぎるので
割愛しますが、簡単に言えば
「勝手に」の線引きや「おしゃべり」の定義がまだ、
個々の持つ常識に委ねられているからです。


さて
こうしたルールや約束事を決めることは
生徒を縛る、窮屈にさせるというイメージも根強いようですが、
教師と生徒が一緒に学び、成長しようという目的意識をもって
授業に取り組むという、空間の質を高めるための第一歩なのです。

自由と放任の違いは大きいものです。
生徒が好き勝手にしている、
生徒にとって都合の良い楽しさは本当の自主性ではありません。

授業をする以上、
その科目、勉強の魅力、学ぶことの面白さを充分に伝えたい。

楽しいから聞いている、聞きたくないから聞かない、といった
生徒の都合に振り回された授業では、
それは実現できないのです。

楽しい、面白い授業で一時的に
生徒達は「耳を傾けてくださる」のかも知れませんが
生徒にとって都合の良い大人の姿のどこに
未来の大人の姿として魅力を感じるのか・・・
その大人の言うことをどうして素直に聞くことができるだろうか。

もちろん、個々のキャラクターによっても差があるのですが
迎合するが故に悪循環を起こす可能性が高まって
伝えたいことを誤解なく伝えることのできない空間へとなってしまうのではないでしょうか。


だからこそ
生徒とルール、約束事を交わし、
共に学ぶ空間を作るのです。

そして
クラスを持つたびに
2つか3つの約束事を生徒達と交わします。

多すぎてもいけません。
そして、禁止の言葉も避けます。
さらに、その約束を交わす意味と目的を真剣に語ります。

生徒達と成長する時間を密度の高いものにするために・・・





そんな話をすると緊張感で張り詰めた授業をしていると思われそうですが
そうではありません。
かなり砕けて生徒達の冗談や会話も楽しみながらやっています。
必要なことはケジメなのです。

結局、
約束事を交わしたらそれを運用することが重要です。
そのボーダーラインもはっきりさせて
基準を変えないことがとても大切なのですよね。

最後に・・・
こうした約束を交わす本当の意味は
生徒をコントロールするためではなく、
生徒と真剣に向かい合って教師の想いを伝える土台を作るためです。
真剣に語り合う時間をどれだけ作ることができるのか、
その積み重ねが力になるのではないかな、と信じています。


さて・・・
研修のことから少し横道に逸れましたので
次回は研修で感じた壁、についてお話します。
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プロフィール

moro(諸葛正弥)

  • Author:moro(諸葛正弥)
  • 自己紹介
    ・教育技術コンサルタント
     T's skill教育技術研究所代表
    ・NPO法人交流分析協会会員
     交流分析士
    ・日本教育工学会 会員
    ・建築家

    ■明治図書より
    進学塾講師が書いた日本初の教育図書
    「人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」を出版
    現在、第7版
    ■毎日コミュニケーションズより
    「フィンランドメソッド実践ドリル」を出版
    現在、第5版
    ■メールマガジンも発行しています
     「せんせいのスキル」
    e-mail:
    長年の大手進学塾講師経験や研修担当経験を経て「T's skill教師塾」を設立し、塾講師出身の教員研修講師として活動。
    私立中高一貫校、教育委員会、専門学校など研修や講演、顧問などを通じ、学校教育改革を提案中。

    これまでの数々の講演・研修ではこれまでの研修と違う、こういう研修を早く受けたかった、と高い評価を頂いております。

    T's skill「教師塾」を開催
    授業技術の研修・講義など各地で実施
    各種教育セミナーも開催予定
    全国から数多くのお問い合わせを頂いております

    2008年メディア関連の履歴
    ■NHK「おはようニッポン」
    ■TBS「ピンポン」
    ■ラジオ「J−WAVE」
    ■雑誌「R25」
    ■新聞「日刊ゲンダイ」
    ■雑誌「東洋経済」(書評)
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