子供の才能を伸ばす教育を
教師塾、教員研修、セミナー、講演などの活動と、 教育への想い、教育論を語ります。 「教師」「保護者」そして「子供に関わる多くの方」へのメッセージ @T's skill教育技術研究所
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連載 第4回 教えた、その後が大切
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

授業で教えても
そのままなら
絶対にできるようにならない

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

初めて数学を担当したクラスでのこと

Dさんの成績が思わしくなく
当時の私は何とかしてあげたい、と思い
補習を何度もしていました。

けれど、全く成績は上がらず
Dさんの保護者にも

「こんな状態じゃ塾に行かせても意味が無い」

とお叱りを受ける始末・・・

面談や電話で話すたびに
「あんなに面倒を見てもらっているのに
 成績が上がらないのはなんででしょうねぇ」
と、きつい一撃を食らい・・・

どうしても先が見えなくなっていました。

Dさんはますます苦手意識が強くなり
正直、数学が嫌い、と言っていました。

ますます
自分から数学などやるはずもなく・・・
どうして良いか、散々悩みました。

当時の職場の環境は
「誰も何も教えてくれない」
「自分の力で他人の授業を奪え」

という様な空気がありましたので
悩みを相談することもできず
一人で考え続けていました。

自分の補習での授業を見直そうと思い、
解説の計画を入念に準備をし、
補習に臨む様になりました。

当然、通常の授業もそれ以上に準備をして
臨んでいました。

分かり易い授業をする
ということについては、
自信を持って授業をできていた、と思います。

Dさんの反応も上々。
「わかるようになった!」
と言って帰っていきました。

そして、次の授業のとき、
確認テストを行なうと
Dさんは
やはり教えたことができていない・・・

Dさんに聞くと、
「ああ、そうだった〜」
「思い出した」
という反応。


まあ、理解しているし、
覚えてもいるなら良いか、と思って放置していました。

けれど、成績が上がらない状況に変わりもなく
補習を繰り返しても成績が上がらないその事に
自分の授業への自信を失い始めていきました。


そんなある日、
補習をして、私が「どう?わかった?」と問い掛けたら
Dさんが
「分かったけど、できるかどうか分かんない〜」
と、冗談のように明るく答えていたのです。


そこで気が付きました。

わかっていても
解く練習をしていないのがいけないんじゃないか。

と・・・


Dさんは補習の後
全く復習することなく
わかったから大丈夫、と思って何もせずにいたのでした。

実際に解いてみること
自分で作業をすること
自分で考えること

そして、
自分の力で解答まで到達する経験をさせる

この作業をさせていなかったから
自分ではできるかどうか分からない、という発言が出たのです。


Dさん自身の中に
「できるイメージ」が無いと
家に帰って問題を解こうという気持ちが湧かないはず。

だからその日から
私は最後に必ず
Dさんに例題をやらせることにしました。

その日に教えたことをそのまま使えばできる問題を・・・

さらにいくつかの宿題も出しました。
簡単にできる、というイメージがついたので
嫌がることなくやってくる様になりました。

その習慣がついてから
Dさんの成績は徐々に向上を始めました。

恥ずかしながら
私はそこで家庭学習の大切さに気が付いたのです。

塾に通わせていればできるようになる。
絶対、そんなことは無いのです。


自分の授業は宿題なんて出さなくても成績が上がる
という先生がいるかも知れませんが
そういう授業が本当にあるのなら見てみたい。


素人に野球を教えるとき
打ち方をレクチャーしたら
急に打てるようになる
そう言っている様なものだと思うからです。

練習することなく皆が打てるようになる指導があるなら
それはどうしても知りたい。


私はそれはありえないと思うから
「わかること」と「できること」は違うと信じています。

Dさんに「できること」を意識して指導したら
成績が向上し始めたときを思い出して・・・
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プロフィール

moro(諸葛正弥)

  • Author:moro(諸葛正弥)
  • 自己紹介
    ・教育技術コンサルタント
     T's skill教育技術研究所代表
    ・NPO法人交流分析協会会員
     交流分析士
    ・日本教育工学会 会員
    ・建築家

    ■明治図書より
    進学塾講師が書いた日本初の教育図書
    「人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」を出版
    現在、第7版
    ■毎日コミュニケーションズより
    「フィンランドメソッド実践ドリル」を出版
    現在、第5版
    ■メールマガジンも発行しています
     「せんせいのスキル」
    e-mail:
    長年の大手進学塾講師経験や研修担当経験を経て「T's skill教師塾」を設立し、塾講師出身の教員研修講師として活動。
    私立中高一貫校、教育委員会、専門学校など研修や講演、顧問などを通じ、学校教育改革を提案中。

    これまでの数々の講演・研修ではこれまでの研修と違う、こういう研修を早く受けたかった、と高い評価を頂いております。

    T's skill「教師塾」を開催
    授業技術の研修・講義など各地で実施
    各種教育セミナーも開催予定
    全国から数多くのお問い合わせを頂いております

    2008年メディア関連の履歴
    ■NHK「おはようニッポン」
    ■TBS「ピンポン」
    ■ラジオ「J−WAVE」
    ■雑誌「R25」
    ■新聞「日刊ゲンダイ」
    ■雑誌「東洋経済」(書評)
    ■出版「フィンランドメソッド実践ドリル」
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